埼玉県にある埼玉石心会病院から1か月の地域医療研修で参りました初期研修2年目の医師です。
私は生まれも育ちも九州の福岡県です。雪国での生活経験は皆無です。今回南魚沼を訪れたのは夏でしたが、所々に雪深い地域での暮らしが垣間見えて非常に興味深かったです。まず、驚いたことが宿舎の1階に行くにも階段を上らねばならず冬はここまで積雪があるのだと実感しました。また、5月過ぎまで雪が残る越後連峰の山々など大自然を身近に感じました。
さて、肝心の医療に関してですが、何より患者さんの日常生活と医療が近接していることに驚かされました。通常、急性期病院は急性期の病態をクリアできれば後は地域の開業医、あるいは施設へと転送しその後の状況はよく分からないということに陥りがちです。しかし、南魚沼地域の病院は訪問診療、訪問看護と精力的に活動しており、実際に病院の外で患者さんがいかに生活し、どんなことに困っているのかが手に取るようにわかりました。医療の本質は病院にいるときではなく自宅に帰ってからなのだと実感しました。
外来研修は本当に多忙でいかに素早くかつ適切に患者さんに「医療」を提供するかを考えなければなりません。この外来でかなりの判断力が養われることと確信しました。次に病棟研修ですが、基本的に研修医が「主治医」となり患者さんの治療、IC、退院調整と全て自分で行います。(もちろん、バックアップ体制はしっかりしており、常に周囲に相談できる環境です。) これらの研修を通し、わずか1か月でも大きく自分を成長させることができると考えます。
訪問診療、訪問介護、訪問リハビリと精力的に病院外の患者サポートを行っている当院のスタッフは本当に気さくでよい方ばかりです。皆さん不慣れな病院で戸惑う私に声をかけてくださり、実に気持ちよくかつ有意義な研修ができました。
優しいスタッフ、患者さんと密な関係、様々な観光名所と南魚沼地域の魅力は紙面では語り切れないほどです。これを読んでくださっている方々も機会があればぜひこの地に足を運んでください。来ていただければ私が伝えたい魅力を実感していただけること間違いなしです。
南魚沼市民病院でお世話になった先生方、スタッフの方、並びに研修を受け入れていただいた施設の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。