7月より1か月間、地域医療研修で南魚沼市民病院にお世話になりました自治医科大学附属さいたま医療センター、2年目の初期研修医です。
生まれは九州の佐賀で、新潟県に赴くのは今回が初めてとなります。初めのころは病院のシステムが違うことだけでなく、地名や地域のお年寄りたちが話される方言までわからないことが多々ありましたが、その都度皆様の優しさに助けられ、仕事をさせていただきました。
実際に勤務を始めてみますと、超高齢化社会の日本をまさに体現するかのように80代、90代、なかには100歳を超える高齢者の方々の診療に携わる機会が多いことに非常に驚きました。高齢者の方々は医療の面だけでなく、生活環境や家族など非常にマルチプロブレムな状態にある方が多く、単に病人を診るだけにとどまらないケースがほとんどでした。医師一人だけでなく、多職種の協力が必要であることを実感しました。
私は将来、精神科を志望しており、来年度からは精神科の専門医プログラムへ進む予定です。精神科の領域では、近年、病院から地域社会へ治療の場が移りつつあります。ひと昔前は、非常に長期にわたって入院を継続するスタイルが多々見受けられましたが、現在では短期間での退院・早期に地域社会へ復帰することを目標にすることも多くなりました。しかし、退院にあたっては、整えなければならない「環境」も多数あるのも事実です。就労・就学、生活環境、キーパーソンの設定など様々な「環境」を調整しなければなりません。退院に向けて解決すべき問題は他科と比べて非常に多く、多職種との連携が必要であり、同じくマルチプロブレムを抱える高齢者のケースは非常に参考となることも多かったと感じております。
日々の診療の場を振り返れば、決して多くないスタッフ数であっても全員で協力し、ともに診療に携わるスタッフの方々の顔が思い浮かびます。最初から最後まで助けられっぱなしであったように思います。最後になりますが、重ねて厚く御礼申し上げます。