内科でお世話になりましたシニアレジデントです。2か月と短い間でしたが、ありがとうございました。10月上旬に新潟県に初めて車で到着した時、ところどころ赤や黄色に色づいた山々がすぐ近くまで迫っている光景は圧巻でした。まだ、県立六日町病院であったころ、2月の雪深い季節に研修医としてゆきぐに大和病院でお世話になったのですが、雪景色とは全く違う景色であることはさることながら、南魚沼市民病院の立派なたたずまいにも驚きました。医療従事者の方は以前にもお世話になった方もいらっしゃり、病棟、外来ともにわきあいあいとした雰囲気で懐かしい気持ちになりました。
血液内科という専門性はあまりお役に立てなかったと思いますが、入院、外来、施設やご自宅での往診を通じて内科全般の医療に携わらせていただき、自分自身にとっても改めて見直す良い機会となりました。なかでも往診は新潟県という豪雪地域の環境、患者さんの高い年齢層から需要があること、多世帯にわたる家族構成であることからより実践しやすい環境であると感じました。以前より往診に力をいれていた先代の先生や医療従事者の方々のご尽力、地域の方の理解もあると思います。地域の輪を感じることが多かったです。
一方、埼玉県は生活保護や核家族の方が多く、ベッドタウンで人口あたりの病院の割合が少ないこと等から一概に比較はできませんが見取りの観点からは医療の選択肢が限られている印象を受けます。最期まで悪性腫瘍の患者さんの人生に寄り添いたいという気持ちもあり今の専門を選びました。悪性腫瘍以外にもいろいろな最期の迎え方をする人がいて、最期の場所もいろいろです。予防、高度医療から最期までをずっと見ることができる医療機関は現在の日本にはおそらく存在しないでしょうが、今の自分がどこでどのステージで医療に携わりたいかをその時々で考えていこうと思います。
最後に当初は慣れないところもありご迷惑をおかけしたこともあったと思いますが、こちらにこのタイミングで2か月働かせていただいたのも何かの縁だと思います。個人的には山がたくさんある環境で自然を身近に感じられたことにありがたい気持ちでいっぱいです。これからさらに寒くなり一面雪景色の季節ですね。想像以上の大変な環境かとは思いますが、豊かな土地や自然の恵みの賜物だと思います。皆様お体に気をつけて過ごしていただければ幸いです。また機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。